ごあいさつ
令和4年度(2022)全国保健師長会
会長 松本珠実
この度、清田啓子会長からバトンを引き継ぎ、全国保健師長会の第16代会長に就任いたしました大阪市支部の松本珠実です。微力ながら、本会の発展に努力して参りたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
さて、全国保健師長会は、自治体に勤務し、保健師長と同等以上の職にあるものが主な会員であり、保健師業務の進歩発展と会員相互の連携親睦を図り、もって地域住民の健康づくりに寄与し、わが国の公衆衛生の向上に資することを目的に活動しています。
新型コロナウイルス感染症の流行は2年以上に及び、保健所設置自治体の保健師は、地域住民の命と生活を衛るために、感染者に対する感染初期から治癒に至るまでの支援、感染予防対策に奔走してきました。市町村保健師は、ワクチン接種の推進のみならず、感染症予防対策をしながら各種事業の円滑な実施に当たってきました。
この間の活動により、多くの国民に保健師という存在を知っていただく機会を得ましたが、公衆衛生看護活動は困難な時代を迎えたと言えるでしょう。コロナ禍において、外出頻度の減った高齢者の生活不活発病の増加、他者から見え難くなった家庭内のDV被害や虐待など、様々な健康問題が深刻化しています。一方、地域組織活動やコミュニティに働きかける活動には制限がかかっており、保健師本来の地域に根付き、家庭訪問によって問題解決を図ってきた手法に頼れないことで危機感をも感じています。
このような時代に対峙するには、同じ境遇にある他自治体の保健師同士の対話や知恵を結集することが、何よりの解決策になるのではないでしょうか。
今年度は、できる限り会員の皆さまと直接語り合い、互いに悩みを共有し、励まし合いながら、「未来を創造する公衆衛生看護活動の展開」が図れるよう、「保健師活動の原点から住民とともに創る未来」を目指して活動していきたいと思います。
全国の保健師長の皆様、本会へご参集、ご協力を賜りますよう、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
「保健師同士の絆を大切に」~それでも前を向いて進むために~
副会長 西本美和
昨年度は新型コロナウイルス感染症が全国に拡大し、全国保健師長会の活動もこれまでとは一変し、手探りの中、運営してきました。昨年度、本会が会員対象に実施した「新型コロナウイルス感染症における保健師活動」に関する調査では、業務の偏在と全庁的に対応する仕組みづくりに苦慮しているといった声が多く聞かれました。またメンタル面の課題として、「最近1ヶ月間、気分が落ち込んだり憂鬱な気持ちになったりする」と回答した保健師は25.7%、感染症対策部門では32.1%でした。長期間に及ぶ感染症対応で心身ともに疲れている保健師の姿が見えてきました。先日、日本公衆衛生看護学会シンポジウムで千葉大学宮﨑先生が、「東日本大震災の時、保健師のモチベーションを下げる要因で最も大きかったのは“孤立”だった。私だけ、私ばかり、そんな気持ちがモチベーションを下げることになっていた。」とおっしゃっていました。全国的に長期間続くコロナ対応で、多くの保健師が大変な思いをしているこの時にこそ、保健師同士の絆を大切にし、辛い気持ちを共感し、私だけじゃない、みんなもがんばっているんだと感じられる会として、全国保健師長会の活動を進めていきたいと思っています。
~全国の保健師が生き生きと活動できる様に~
副会長 河西あかね
全国保健師長会副会長の就任にあたりまして、ご挨拶申し上げます。
世界的な健康危機管理対策事案である新型コロナウイルス感染症の対応が1年以上続いています。全国の保健師の皆様は地域の中で最前線に立ち、この新型コロナウイルス感染症の対応に、日々ご尽力いただいていることと思います。心から感謝申し上げます。
これまで誰も経験したことのない「災害」といえる状況の下、心身共に緊張する中で、長期間働き続けているということを、私たち保健師自身も、まずしっかりと自覚しておく必要があると感じています。
一方で、この感染症に係る取組みを通して、これまで地域の生活を守ってきた公衆衛生行政や保健師の活動を、改めて関係機関や住民の皆さんに伝える機会ともなっていると思います。また、この流行の影で、生活基盤の脆弱性や人々の孤立による、健康格差の拡大や精神保健、差別意識の拡がり等の課題が深刻化している面も否めません。
そしてこの間、事業者や感染者への罰則などを盛り込んだ、特別措置法や感染症法の改正が施行されましたが、保健師としては、引き続き、人権を尊重し、人々や関係機関との信頼関係を築きながら丁寧に個別対応、施設対応を行い、自ら納得して予防行動が取れるよう支援していくことが重要であると思います。
私たち行政に働く保健師の役割は、所属部署の方針を踏まえながら公衆衛生看護活動を実践し、住民や関係機関とともに健康なまちづくりを推進していくことであり、これは新型コロナウイルス感染症対策においても同じと考えます。
全国の保健師同士が様々な取組を共有し学び合い、公衆衛生看護活動や人材育成の取組を着実に推進できる様、そして保健師として誇りを持ち、生き生きと活動できる様、副会長として微力ながら力を尽くしていきたいと思います。
ご指導ご鞭撻の程どうぞよろしくお願いします。
就任のごあいさつ ~保健師のつながりと交流の深化のために~
副会長 前田香
感染拡大が続いている新型コロナウイルスへの対策に日々尽力されている保健師の皆さまに敬意を表するとともに深く感謝申し上げます。令和3年度、全国保健師長会副会長に就任いたしました、福島県相双保健福祉事務所の前田でございます。謹んで、皆さまにごあいさつ申し上げます。
私が勤務している事務所は、東日本大震災及び原発事故により甚大な被害を受けた地域を管轄しており、震災及び原発事故から10年を経過した現在でも避難指示が解除されない地域が残り、多くの方々が避難生活の継続を余儀なくされております。また、解除された地域においては様々な課題に直面しております。
我が国では、毎年、各地で自然災害が発生し、新興・再興感染症への対策なども加わり、新たな健康課題が増える中、保健師には、地域の特性に応じた専門性の高い活動がますます求められていることから、全国の保健師が横のつながりをもち、交流を深めながら活動を推進していく必要があると思います。
今回、副会長という大役を仰せつかりましたが、会長をはじめそれぞれの役員の方々とともに、諸先輩の方々が築いてこられた活動を継承し、社会の動向を見据え、かつ現場の保健師が抱える課題や思いに耳を傾け、保健師が生き生きと活動できるよう尽力したいと考えております。今後とも、ご指導、ご協力をいただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
全国保健師長会 事務局
〒160-0022 東京都新宿区新宿1丁目29番8号公衛ビル5F( 財団法人日本公衆衛生協会)
TEL:03-3352-4281 / FAX : 03-3352-4605
info-phn@jpha.or.jp