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会長あいさつ

就任あいさつ

ごあいさつ

平成28年4月 

平成28年度 全国保健師長会
会長  青柳 玲子


 全国保健師長会会長の就任にあたりごあいさつ申し上げます。

 全国保健師長会は、昭和54年3月22日に発足し、今年で37年になります。当時の設立趣意書には「保健師の機能を十分発揮して、地域住民の健康保持増進に寄与するため保健婦業務の指導的立場にある者が一丸となってその目的を達成する」と記されています。発足以来その精神の下、当時は512人であった会員が、平成27年度には10倍以上の5210人を数える組織となり、活動体制も年々充実してきています。

 この37年間に時代は大きく変わりました。現在の日本は、世界に類を見ない少子高齢化・人口減少時代に突入しています。2025年には、団塊の世代が全員後期高齢者となり、65歳以上の高齢者は国民の3分の1に達するという、日本の姿を現実の問題として直視しなければなりません。そのことに備える10年間がスタートしたことを、保健師はしっかりと認識しなければならないと考えています。

 これまでの保健師活動を振り返ってみると、結核を中心とした感染症対策、乳幼児死亡率の低下をめざした母子保健活動など、私たち保健師は社会の要請や住民の生活実態の変化に対応し、住民や地域の健康課題解決に真剣に取り組んできました。

 その結果、国民の健康状態は大幅に改善して、平均寿命は世界の最高レベルに達し、疾病構造は生活習慣病が全体の6割を占めるようになりました。一方、家族形態や地域コミュニティを見ると、単身世帯、特に単身高齢者世帯の増加や家族機能の低下、地域のつながりの希薄化、地域コミュニティの脆弱(ぜいじゃく)化が問題となっています。また、経済も振るわない状況が続き、所得格差の拡大や貧困の問題が深刻化しています。このことは住民の健康状態にも影響を与えており、格差社会における健康格差の問題として大きく健康政策に取り上げられています。年金給付や国民医療費の社会保障給付費が増大し続ける中、持続可能で安心できる社会保障制度を構築していくことが重要な政策課題となっています。

 近年、私たち保健師を取り巻く環境においては、自然災害や新興・再興感染症、疾病構造の変化など新たな健康課題も増えており、健康危機管理への対応や虐待防止対策、自殺予防対策、生活習慣病対策、さらには地域包括ケアシステムの構築など、地域特性に応じた専門性の高い活動がますます求められています。

 「保健医療2035提言書」では、2035年の保健医療の達成すべきビジョンが示され、日本再興戦略では、「国民の健康寿命の延伸」を目標とした、2030年のめざす社会像として「予防から治療、早期在宅復帰に至る適正なケアサイクルの確立」が掲げられました。この目標達成に向けて、私たち保健師は、これまで培ってきた経験と公衆衛生看護の技術を生かし、積極的に取り組むべきであると考えます。

 あらゆる世代や健康レベルの人々が、安心して健やかに暮らせるまちづくりをめざし、保健医療福祉や、産業、教育分野などの多様な機関との連携を強化し、PDCAサイクルに基づいた主体的な公衆衛生看護活動を展開することが私たちの使命です。

 全国保健師長会では、効果的かつ質の高い保健師活動が展開できるよう、各ブロックの研修や研究的な取り組みを積極的に行い、人材育成を推進していきます。そして、いきいきと活力ある保健師をめざし、組織としてのつながりを強化しながら、次世代を担う保健師の成長を支援していきます。

 平成28年度は、「社会の課題に向き合う保健師活動の展開~保健・医療・福祉をつなぎ安心して健やかに暮らせるまちづくりの実現」を活動テーマとして掲げ、「専門性の高い公衆衛生看護活動の強化」「ブロック支部活動の強化」「中長期的な展望に立った被災地における保健師活動の可視化及び各自治体における災害時対策の取り組みの推進」「会員数の拡大」の4つの柱で活動を推進していきます。

 具体的な活動として、「地域に責任をもった活動を強化する」こと、「統括的な役割を果たす保健師の配置を推進し、役割を確立する」こと、「各自治体の特性に応じた保健師活動指針の作成を支援する」ことを重点的に、各部会や特別委員会、ブロック別研修会等の中で取り組んでいきます。

 また、平成28年3月11日で東日本大震災から丸5年が経過しました。被災地では、新しいまちづくりを進めている中で、住宅再建や土地造成は想定より遅れ、仮設から仮設への転居も余儀なくされ、全国の先を行く人口減少の現実が復興の重い足かせになっている状況も聞いています。このような地域の現状で公衆衛生看護活動を展開している保健師は多岐にわたる課題を抱えていると推察されることから、平成28年度は被災地の長期化する健康課題に保健師活動の課題を明らかにしていく、研究的な取り組みを行っていきます。

 全国保健師長会は、全国の津々浦々の自治体の保健師のリーダーで結成された組織です。この強みを生かした組織力とネットワークは、これからの保健師活動に大きな影響を与える力となると考え、会としても、そこで果たしていく役割と責任は重いと認識しています。今後はさらに会員数の拡大を図り、会の活動を充実強化していくとともに、会員一人ひとりのつながりを強化する体制を築いてまいります。

 大役を仰せつかり、身の引き締まる思いですが、歴代会長や先輩保健師の方々が築いてこられた全国保健師長会の活動を継承し、会員の皆さま一人ひとりの意見を尊重し、多くの関係機関・団体の皆さまと連携を図り、保健師活動の発展に尽力したいと思います。

 今後とも、会員の皆さまをはじめ、関係諸氏のご指導、ご鞭撻(べんたつ)をいただきますよう、どうか、よろしくお願いいたします。




全国保健師長会とは

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